アジア全域のエンターテインメント界を大きく揺るがし、SNS上で熾烈な支持争いが繰り広げられた「アジアで最もハンサムな顔2019(100 Most Handsome Asian Faces 2019)」。アメリカの映画情報サイト「TC Candler」のアジア運営部門である「TCCAsia」が発表したこのランキングは、中国、韓国、日本をはじめとするアジア各国のスターたちが名を連ね、国境を越えた巨大な話題を巻き起こしました。
なかでも、メガヒット時代劇『陳情令』で一躍トップスターへと駆け上がった中国の俳優・歌手であるシャオ・ジャン(肖戦)が栄冠に輝いたニュースは、アジア各国のメディアで速報として報じられました。本稿では、当時の最終ランキング結果をはじめ、山下智久ら日本人ノミネート勢の順位、世界版TC Candlerとの選考基準の違い、そして過熱したファン投票の舞台裏まで、客観的データと当時の取材記録をもとに余すところなく検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2019年のアジア1位は中国のシャオ・ジャン(肖戦)。2位にジェジュン、BTSのVやジョングク、チャウヌらK-POPの旗手たちがトップ10に集結。
- 要点2:日本勢トップは山下智久の30位。羽生結弦や片寄涼太、古川雄輝ら、中華圏で圧倒的な知名度と好感度を誇るタレントが上位進出を果たした。
- 要点3:本ランキングは「TC Candler」のアジア提携版(TCCAsia)であり、Weiboを中心とするソーシャルメディアのエンゲージメントと組織的ファン投票が順位を大きく左右した。
アジアで最もハンサムな顔2019の頂点は誰?肖戦(シャオ・ジャン)1位の衝撃と選考結果
2019年11月に公式発表された「アジアで最もハンサムな顔2019」で堂々の第1位に輝いたのは、中国の俳優・歌手であるシャオ・ジャン(肖戦)でした。同年夏に配信された主演ドラマ『陳情令(The Untamed)』がアジア全土で爆発的な社会現象を巻き起こし、その端正で気品ある顔立ちと圧倒的な表現力が幅広い層から絶賛された結果といえます。
第2位には、東方神起出身で日本でも精力的なソロ活動を展開し、日韓両国で根強い支持基盤を持つキム・ジェジュンがランクイン。そして第3位には「顔天才」の異名をとるASTROのチャウヌ、第4位には世界的人気グループBTS(防弾少年団)のジョングク、第5位には同じくBTSのV(テテ)が続きました。
V(テテ)は本家である世界版「世界で最もハンサムな顔」において2017年に世界1位を獲得しており、アジア版でも上位常連として揺るぎない存在感を示しました。当時のトップ5を見渡すと、中国のメガヒットコンテンツ発のアイコンと、アジアから世界へ進出したK-POP界のトップランナーが覇権を競い合う構造が鮮明に浮かび上がっています。
【データ一覧】アジアで最もハンサムな顔2019トップ10と注目日本人順位
以下は、公式発表された最終ランキングの上位10名と、ランクインを果たした主な日本人タレントの公式記録をまとめたデータ比較表です。
| 順位 | 氏名 | 国籍 / 主な活動拠点 | 主な実績・当時の代表作 | 編集部の分析・選出背景 |
|---|---|---|---|---|
| 第1位 | シャオ・ジャン(肖戦) | 中国 | ドラマ『陳情令』主演、X NINE | 中国Weibo上での圧倒的なファンダム動員力とビジュアル評価が完全合致。 |
| 第2位 | キム・ジェジュン | 韓国 | 元東方神起、JYJ、ソロ活動 | 日韓中をまたぐ長年の熱狂的ファン層による組織的な投票支援が結実。 |
| 第3位 | チャウヌ(ASTRO) | 韓国 | ドラマ『私のIDはカンナム美人』 | 「ビジュアルの完成形」としてアジア各国の若年層から絶対的支持を獲得。 |
| 第4位 | ジョングク(BTS) | 韓国 | BTSメインボーカル | 世界的メガヒットを連発するBTSのグローバルな投票力が反映。 |
| 第5位 | V / テテ(BTS) | 韓国 | 世界版2017年1位獲得歴 | 世界ランキング上位の常連であり、アジア圏でも抜群のブランド力を誇示。 |
| 第6位 | ウィリアム・チャン(陳偉霆) | 香港 / 中国 | ドラマ『古剣奇譚』『老九門』 | 中華圏におけるトップ俳優としての安定した人気と男性的魅力が評価。 |
| 第7位 | パク・ボゴム | 韓国 | ドラマ『雲が描いた月明り』 | 爽やかで清潔感のあるイメージがアジア全土の女性層から高評価。 |
| 第8位 | ペクヒョン(EXO) | 韓国 | EXO、SuperM | ソロ活動やSuperM始動によるグローバルな注目度の高まりが直結。 |
| 第9位 | ディマシュ・クダイベルゲン | カザフスタン | 歌手、奇跡の歌声と称される | 中国の歌唱番組出演を契機に東アジア全域へ熱狂が拡大した実力派。 |
| 第10位 | ジャニス・ハン(羽生結弦選手は33位) | 中国 | ドラマ『双世寵妃』 | Webドラマ発の新世代スターとして中華圏SNSで急速に票を伸ばした。 |
| 第30位 | 山下智久 | 日本 | ドラマ『コード・ブルー』、国際派活動 | 日本人最高位。中国映画出演やWeibo公式開設など中華圏展開が直結。 |
| 第33位 | 羽生結弦 | 日本 | フィギュアスケート五輪連覇 | スポーツ選手として異例の選出。中国での絶大なカリスマ性が証明された。 |
| 第42位 | 片寄涼太 | 日本 | GENERATIONS、映画『兄こま』 | 中国現地でのファンミーティング成功など、アジア圏人気の高さを誇示。 |
| 第64位 | 古川雄輝 | 日本 | ドラマ『イタズラなKiss』 | 中華圏で「男神」と称されるパイオニア的人気が順位に反映。 |
山下智久は何位?羽生結弦ら日本人ノミネート勢の最終順位と現地評価
日本国内のメディアやSNSで最も大きな関心を集めたのは、日本人男性タレントたちの順位でした。そのなかで日本人トップとなる第30位にランクインしたのが山下智久です。
山下智久は当時、映画『サイバー・ミッション(原題:解碼遊戯)』で中国映画への出演を果たし、中国の公式Weiboアカウントを開設するなど、アジア進出を積極的に推し進めていました。現地メディアのインタビューでも流暢な英語を披露し、現地ファンから「不老の男神」として絶大な支持を集めていた背景が、この30位という高順位に繋がりました。
さらに特筆すべきは、第33位にランクインしたフィギュアスケートの羽生結弦です。芸能人が大多数を占めるランキングにおいて、現役のアスリートが上位に食い込むのは極めて異例の事態でした。羽生結弦は中国国内で「柚子(ヨウズ)」の愛称で親しまれ、国営テレビ局の解説者が熱烈な賛辞を贈るほど社会現象的な人気を誇っていたため、ファン投票で爆発的な票数を獲得しました。
その他にも、ドラマ『兄に愛されすぎて困ってます』が中国で大ヒットしたGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太(42位)や、主演ドラマ『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』を機に中国で絶大な人気を獲得していた古川雄輝(64位)など、日本国内の知名度序列とは異なる「アジア・中華圏での実質的なファンベースの厚さ」を反映した顔ぶれが上位に並びました。
「世界版TC Candler」と「TCCAsia」の決定的な違い|選考基準と投票システムの裏側
このランキングを正確に理解するうえで不可欠なのが、毎年年末に発表される本家「世界で最もハンサムな顔(The 100 Most Handsome Faces)」と、本作「TCCAsia版」の構造的な違いです。
本家の世界版TC Candlerは、1990年にイギリス出身の映画評論家TC Candlerが個人的な趣味嗜好から立ち上げたプロジェクトであり、「主観的な美の多様性と独自性」を基準に選考委員会が最終決定を下すと公表されています。対して、2019年に展開されたTCCAsiaは、アジア市場(特に中国・東南アジア圏)に特化した公式ライセンス部門として運営されました。
最大の違いは選考プロセスにおけるファン投票とソーシャルエンゲージメントの比重です。TCCAsia 2019では、中国の最大手SNS「Weibo(微博)」やInstagram、Twitter(現X)等を通じたノミネート推薦や投票システムが全面的に採用されました。特にWeibo上の指定ハッシュタグ投稿数、リツイート数、公式アカウントへのいいね数が集計指標として大きなウエイトを占めたため、ファンダムの熱量と組織力が直接順位に反映される仕組みとなっていました。
なお、同年に発表された女性版「アジアで最も美しい顔2019(100 Most Beautiful Asian Faces 2019)」では、BLACKPINKのLISA(リサ)が堂々の第1位を獲得。日本からは石原さとみ、宮脇咲良、新垣結衣らが上位にノミネートされ、男女双方でアジア各国のポップカルチャーの勢力図が鮮明に可視化される結果となりました。
【実態検証】SNSとファンダムの熱狂が生んだ光と影|ネットの反応から読み解くリアル
当時のSNS上では、ランキング発表の前後にわたってファンダム間の熾烈なキャンペーンが展開されました。特にWeiboやTwitterでは、ファンコミュニティが「投票ガイドライン」を作成し、複数アカウントを用いたタグ付け運動やリツイートの呼びかけが組織的に行われました。
ネット上のリアルな反応を検証すると、熱狂的な歓喜の一方で、選考手法に対する冷ややかな視線も存在していました。
- ファンダムの肯定的な声:「推しの美しさがアジア全土に認められて誇らしい」「肖戦の圧倒的な顔立ちと気品は1位にふさわしい」「山下智久が日本代表として30位に入ったのは納得の貫禄」
- 一般層・ネットユーザーの疑問の声:「結局は熱心なファンが何万回もリツイートした組織票ではないか」「一般的な認知度と順位が乖離している」「個人の美しさをランキング化して争う文化に違和感がある」
このように、「アジア規模の美の祭典」という華やかな看板の裏には、推しの名誉をかけたファンによる過酷なデジタル投票合戦という実態が存在していました。単なる客観的な美の優劣ではなく、「どれだけ強固で献身的なファンコミュニティをアジア圏に形成できているか」というエンゲージメントの総量を可視化したランキングであったことが分かります。
デジタル時代の「美の序列化」を読み解く|過熱する推し活と心理的バウンダリー
2019年のランキング騒動は、アジアにおける「推し活(Fandom Culture)」の産業化とデジタル化が加速した象徴的な出来事でした。ファンがスターのランキング順位を自己のアイデンティティや承認欲求と重ね合わせ、寝る間を惜しんで投票を繰り返す行動様式は、現代のSNS社会における典型的な共依存構造の一端を示しています。
社会心理学の観点から見れば、ランキングという分かりやすい「序列」を通じて自らの推しの優位性を証明しようとする心理は、他者との比較を通じた自己肯定感の補強に他なりません。しかし、商業的・プロモーション的に設計された投票プラットフォームに過剰にのめり込むことは、ファンの精神的・時間的な疲弊を招くリスクを孕んでいます。
【プロの結論】ランキングエンタメと健全に向き合うための判断基準
Webメディアやソーシャル上で無数に生産される「顔ランキング」や「人気投票」に接する際、読者が健全なメンタルと知性を保つための基準は以下の通りです。
| 楽しむのに向いているスタンス | 過剰没入を避けるべきスタンス |
|---|---|
| ・アジア各国の新たなエンタメやスターを知る「カタログ」として楽しむ | ・順位の上下をスター本人の人間的価値や絶対的優劣と同一視してしまう |
| ・「ファンダムの熱量の可視化データ」として客観的・分析的に眺める | ・他グループや他国のタレントを貶めて自らの推しの順位を上げようとする |
| ・自分と他者の好みの違いを受け入れ、純粋なエンタメとして消費する | ・投票ノルマやSNS上の同調圧力に縛られ、私生活や精神を犠牲にする |
推しを応援する情熱そのものは尊い文化ですが、ランキングはあくまで特定のプラットフォームと集計ルールが作り出した一時的な指標に過ぎません。健全な「心理的バウンダリー(境界線)」を保ち、エンターテインメントの話題の一つとして軽やかに受け止める姿勢が求められます。
【アジアで最もハンサムな顔2019】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「アジアで最もハンサムな顔2019」で1位になったシャオ・ジャン(肖戦)とはどんな人物ですか?
A1:中国出身の俳優・歌手で、アイドルグループ「X NINE」のメンバーとしてデビューしました。2019年に主演を務めたブロマンス・ファンタジー時代劇『陳情令』がアジア全域で記録的な大ヒットを記録し、圧倒的な美貌と演技力で一躍トップスターとなりました。以降も中国を代表するトップ俳優として第一線で活躍を続けています。
Q2:山下智久が日本人最高位の30位に入った理由はなぜですか?
A2:山下智久は当時、中国映画『サイバー・ミッション』へのメインキャスト出演やWeibo公式アカウントの開設、英語力を活かした海外展開など、アジア圏に向けた積極的な活動を行っていました。日本国内のみならず中華圏のファン層から長年にわたり高い人気と知名度を誇っていたことが、高順位の要因となりました。
Q3:世界版「世界で最もハンサムな顔」とアジア版「TCCAsia」は何が違いますか?
A3:世界版は映画評論家TC Candlerが主宰し、世界中の著名人を対象に選考委員会が独自の審美眼で決定します。一方、2019年のアジア版(TCCAsia)はアジア地域に特化した公式ライセンス展開であり、Weiboを中心としたSNS上のファン投票やハッシュタグの拡散数が順位決定に極めて大きな影響を与えるシステムとなっていました。
Q4:羽生結弦選手のようなアスリートがランクインしたのはなぜですか?
A4:羽生結弦はフィギュアスケート男子シングルで五輪2連覇を達成した実績に加え、その端正な容姿と演技の美しさから中国をはじめとするアジア全土で絶大な人気を誇っていました。本ランキングは芸能人限定ではなく「アジアの著名人」が対象であったため、熱狂的なファンコミュニティの投票によって33位という異例の上位選出を果たしました。
まとめ:アジアのカルチャー地殻変動を象徴した2019年の金字塔
「アジアで最もハンサムな顔2019」は、中国のシャオ・ジャン(肖戦)の首位獲得やK-POP勢の上位独占、そして山下智久や羽生結弦ら日本勢の奮闘を通じて、アジアのエンターテインメント市場が迎えた巨大な地殻変動を克明に記録したランキングでした。
SNSの拡散力とファンダムの熱量が国境を越え、現地の熱狂がそのままデジタルの順位へと変換されたこの現象は、現在に続くグローバル推し活カルチャーの基礎を築いた重要な転換点といえます。個々の順位に一喜一憂するだけでなく、当時のアジア各国のポップカルチャーが放っていた熱気と勢いを振り返る貴重なアーカイブとして、このランキングの持つ意味は今なお色褪せていません。 (出典: アジア で 最も ハンサム な 顔 2019(Yahoo!ニュース))